Vol.300 「300回記念。この7年を振り返る」内田樹さんとともにお届けします。
ゲスト:内田樹さん(思想家)
※この番組は、2026年8月3日に収録しました。どうぞご了承ください。
2019年5月に産声を上げた「路上のラジオ」は、そのつぶらな歩みを止めず今回、放送300回という節目を迎えました。何の忖度も自粛もタブーもなく、権力から自由であるためにスポンサーを持たず、リスナーの皆さまの支えだけで走り続けてきたこの7年。その記念すべきゲストとしてお迎えしたのは、番組開始当初から現代社会の課題を聡明に、鋭く、冷静に斬り続けてこられた思想家・内田樹先生です。今回もそんな内田先生の道場を訪ね、たっぷり1時間お話を伺って参りました。
まず前半では、内田先生とともに、安倍政権下で始まったこの7年間の激動を振り返ります。世界は今、かつてないほどの「カオス」の中にあります。トランプ政権誕生、コロナ禍、そしてウクライナ、ガザ、イランへと続く終わりの見えない戦争。アメリカはグローバル・リーダーシップを放棄し、戦略なき「狂った王様」たちが国際社会を揺るがしています。 日本国内に目を向ければ、自民党政治は、私たちの平和で豊かな暮らしを、この7年間で徹底的に破壊してきました。物価高に喘ぎ、実質賃金が下がり続ける中で、今も政府与党が心血を注ぐのは、何の緊急性もない憲法改正や軍事力の拡大、国旗損壊罪に副首都法案、そして万博やカジノといった利権政治です。内田さんはおっしゃいます。目の前の国民の命が守れなくて何が「国防」なのかと。熊本地震への対応は、その政治の機能不全を無残なまでに可視化しました。10年前の震災から何も学ばず、過酷な体育館での避難生活を強いたまま、先日は高齢者が車中泊で命を落としました。ミサイルを買う金はあっても、避難所の環境を整える金はない――これが、今の日本政治が突きつける冷酷な現実です。
内田先生は、私たちが今の苦境から脱するためには、極めて根源的な「人を見る目」を取り戻さなければならない。学歴や社会的地位ではなく、その人に「哲学」があるかどうかをしかと見極めることだとおっしゃいました。嘘に嘘を重ねる政治家や、強そうに見えるだけの独裁者に阿るのではなく、一人ひとりが自立した市民として、誰が本当に私たちの生活を守ろうとしているのかを見極めるリテラシーが必要です。そんな中で、内田先生が提示するキーワードは「相互扶助(インターディペンデンス)」です。誰かの「微かな『助けて』というSOS」に耳を傾け、そっと手を差し伸べることから生まれる確かな関係性。弱者を切り捨て、公共を民営化して切り売りする今の政治とは真逆の、温かな「公共」のあり方がそこにはあります。
希望もあるとおっしゃいます。世界では今、行き過ぎた軍事化や格差に対する「揺り戻し」が始まっています。日本でも、ペンライトデモに象徴されるように、既成の組織に頼らず、居ても立ってもいられない個人が声を上げ始めています。来年4月に控える統一地方選挙は、大きなターニングポイントになるでしょう。すべてを私有化し、奪い合う社会から、公共を豊かにし、平和と安定を分かち合う社会へ。第300回を迎えた「路上のラジオ」は、これからも皆さまとともに、その道を歩み続けます。内田樹先生の示唆に富む1時間の対話を、ぜひ最後までじっくりとお聞きください。
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00:03 前枠 TM~
04:53 前半 Jingle~
30:53 後半 Jingle~
56:09 後枠 ETM~
58:01 アナ尻
60:00 曲尻 ~F.O
