Vol.181 ふたつの特集 小出裕章さん「原子力マフィア東京電力の大罪」/ 矢野宏さん「万博で維新失速。しかし大阪は…」

ゲスト:以下のおふたりです。

特集1:「原子力マフィア東京電力の大罪」小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所助教)
特集2:「万博で維新失速。しかし大阪は…」矢野宏さん(新聞うずみ火代表・フリージャーナリスト)

今回の「路上のラジオ」は、ふたつの特集をお送りします。まず前半は、元京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんに「原子力マフィア東京電力の大罪」と題して、お電話でお話を伺います。東京電力はなぜ地元の同意がないまま、柏崎刈羽原発の原子炉に核燃料を充填したのか?この原発は、新潟県中越沖地震の際に火災を起こしていますし、IDカードを不正利用した従業員が中央制御室に入った事件では「運転禁止令」も出されました。それより何より小出さんは、柏崎刈羽原発は世界最大級の原発であり、世界でも類をみない地震大国の日本においては、再稼働などもっての他なのだと訴えます。福島第一原発事故により危険にさらされた放射性物質「セシウム137」は、広島原爆の7,900発分といいます。大気中に放出されたのは、不幸中の幸いでそのうちの2%で、さらに風向きの関係もあり日本の国土に降ったのは更にその20%、つまり全体の0.4%だったといいます。しかしたったそれだけで、福島ではあれだけひどい状況が今も続いているわけで、もし柏崎刈羽原発を大地震が襲ったらと考えるだけでそら恐ろしくなります。そんな福島事故の責任を東電も国も一切取ろうとしないどころか、デブリの取り出しなど100年経ってもできるわけないのにフェイクなロードマップに執着し、巨額の廃炉費用を使っています。そんな無駄金があるならそれらは原発事故被災者の補償にまわし、一刻も早く石棺で事故原発を覆うなどの対策が必要だと小出さんは訴えます。決して忘れてはならない3・11を、「路上のラジオ」はこれからも小出先生とともに追い続けます。

そして番組後半では、フリージャーナリストの矢野宏さんをお迎えします。いよいよ1年を切った大阪万博。勢いに多少の陰りが見え始めた維新勢力ですが、矢野さんは、その嘘とごまかしの本質をえぐるにはまだまだ報道が足りない、特に在阪メディアこそもっと頑張ってほしいと訴えます。貧すれば鈍するとばかり広告収入減少にあえぐ大阪メディアは、コマーシャリズム重視に傾き、本来のジャーナリズムがおろそかになってしまっている、巨額な税金の使われ方や、メタンガス爆発や地震・台風など自然災害もふくめた夢洲という特殊なロケーションの危険性の報道に手をこまねいているというのです。一方で東京の新聞やテレビの方がよほど危機意識をもっているようにも見えます。そして万博の後には、大阪カジノができます。試算ではこれにより32万人がギャンブル依存症になるのだといいます。矢野さんへのインタビューで印象的だったのは、「声なき声をくみ取るのがジャーナリズム」「これほどまでに人のいのちをおろそかにする大阪万博やカジノをもっと報道すべき」とおっしゃったこと。政治家や大企業は利権にまみれ、メディアは忖度し、その中で強行に至る大阪万博、大阪カジノ。私たちはしっかりと取材し情報公開を求めることで、断固としてNO!を突き付け続けねばなりません。最後には、総選挙に向けて、庶民の暮らしを守る護憲派の野党共闘をしっかり進めるために必要なことについて考えます。

「路上のラジオ」第181回のふたつの特集、ぜひ最後までじっくりとお付き合いください。

00:03 前枠 TM~
04:10 前半 小出裕章さん Jingle~
20:39 後半 矢野宏さん Jingle~
56:22 後枠 ETM~
58:30 アナ尻
60:00 曲尻

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